近年、プログラミングを専門とするプログラマーに、危機的状況が訪れています。IT業界の人材不足を解決する手段としてオフショア開発が広がっており、「将来的に国内のプログラマーが不要になるのではないか」と危惧されているのです。
企業にとって、コストをいかに削減するかは大きな課題であり、人件費の安い中国やベトナムなどのアジア圏への発注が増加しています。オフショア開発最大の問題点である言葉の壁も解決されつつあるため、国内のプログラマーにとっては不利な状況なのです。
オフショア開発のほか、プログラマーの不要論の根拠とされているのは、IT業界の進歩がもたらした革新的な技術でしょう。
学習能力を持つAIの進化は目覚ましく、信頼性について疑問視する声もあります。しかし、従来人が行っていた仕事を、実際にAIに任せるケースも増えているのです。プログラミングのように法則を覚えて組み合わせる作業はAIがもっとも得意なため、人がプログラミングを行うよりはるかに効率的だと考えられています。
以上のような点から、プログラマーという職種の需要が減っていくのではないかと懸念されているのが実態です。
ですが、オフショア開発には現地のコントロールが難しい問題もあり、意思疎通ができなければコスト削減を果たすことは困難と言えます。また、活用が進むAIは人と同じようなクリエイティブな発想ができないという面も、当分解決することはないでしょう。